清士郎、木枯らしのメモリー・其の一
姉が道場に顔を見せるのは月に一度、あの人がその日を楽しみにしてるのを知って、俺は何故か苛立った。
その日は、朝から冷たい木枯らしが吹いていた。
畜生、こんな時に足をくじくなんて。「お前を背負うのも久しぶりだな」 そうだ、俺は先生を独り占め出来るあの時間がとても好きだった…。拗らせ清士郎、最初の爆発。しかし先生にはイマイチ伝わらず宙に浮いた気持ちが鬱積していく。十七年後(2017.8.22 UP)#1945年(昭20)畳む
姉が道場に顔を見せるのは月に一度、あの人がその日を楽しみにしてるのを知って、俺は何故か苛立った。
その日は、朝から冷たい木枯らしが吹いていた。
畜生、こんな時に足をくじくなんて。「お前を背負うのも久しぶりだな」 そうだ、俺は先生を独り占め出来るあの時間がとても好きだった…。